PEST分析とは？自社を取り巻く環境を分析しよう

ピンクちゃん、ピンクちゃん

PEST分析って何！？

PEST分析とは、外部環境が自社の未来に与える影響を調べるための手法よ。

いいえ。そういうミクロ的な考え方じゃなくて、もっとマクロ的な視点にたった分析ね。

いえ……マクロよ……。要するにもっと広い環境を視野に入れて分析するのよ。

そもそもPEST分析の名称は政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の頭文字に由来するわ。法律、株価、人口動態、技術の進歩。要するに社会情勢や経済の動向ね。その分析のフレームワークとも言えるのがPEST分析よ。

PEST分析はどんな場面で特に効果を発揮すると思う？

正解よ！　当然だけど、ほとんどのヒット商品やサービスは社会の状況や流行の変遷を見極めたうえで発売に至っているの。ニーズの抽出は、成功において重要なファクターだものね。

市場の将来性や今後発生しうる脅威などが分析できるから、経営戦略を策定するときにも実施されるわ。

そう。自社ではどうしようもない社会要因の変化を予測したいときにはPESTは便利なのよ。

それから、マーケティングを成功に導くために必要不可欠な適切な目標・指標を設定するための根拠を提供してくれるのよ。

PEST分析を提唱したノースウェスタン大学ケロッグビジネススクールで教鞭をとる経営学者のフィリップ・コトラー氏は、調査なしの市場参入は何も見えない状態での市場参入と一緒という趣旨の発言をしているのだけど。

要するに、策略を立てるための前提条件や自分たちが飛び込もうとしている世界の環境把握にPEST分析は活用できるのよ。

PEST分析への理解を深めるために、PESTの軸になる4つの類型を深堀しましょう。

さっきも言ったけど、PEST分析は名前の由来にもなっている政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)を基準として分析を行うわ。ここでは1つずつ見ていきましょう。

政治が市場に与える影響ね。税制の変更や法律の改正が分かりやすい例ね。

そうかもね。でも、物事は何事も捉え方次第。その変化をチャンスに活かせる可能性もあるはずだわ。

株価、金利、賃金あたりの影響ね。当たり前だけど経済の動向を予測することは重要よね。

ここはライフスタイルね。高齢化とか、流行とか、文化とか、社会の変化を分析するの。

技術の進歩も、ビジネスに多大な影響を与えるわ。

それじゃあ、PEST分析の具体的な手法について説明するわ。

まず分析対象を決定してね！　自社のマーケティングに合わせて何を分析するのか設定する必要があるのよ。

続いては情報収集。国やシンクタンクが発行しているデータなど正確性の高い情報を集めるのが大切よ。

それから、さっきの4つの類型に分類してね。

次に情報を事実と解釈にカテゴライズしてね。PESTで重要なのは、事実なの。主観による解釈を分析に活用するといい結果を生まないことが多いのよ。

ええ、そういうこと！

それから、さっきのステップで抽出した事実の本質を見極めるのも大切よ。

事実が自社にとって有益なのか脅威なのかを見極めるってこと。つまり、メリットとなるのかデメリットなのかを判断するってことね。一般論としては驚異になるような情報も、自社にとってはメリットになることもあるから慎重に判断してね。

自社に短期的な影響を与えるのか、長期的な影響を与えるのかも判断するわ。

そして、分析結果と事業戦略を照らし合わせたうえで、実行に移すの。自社を取り巻く周辺環境のリスクを浮き彫りにして、有益な機会を明確化する。そうやって、成長を目指すのよ。

そうね。データは活用してこそ意味があるものね。

PEST分析以外にも環境分析のフレームワークは存在するわ。企業戦略を立てるときには、ここで紹介する分析が有効なケースも存在するはずよ。状況に応じて臨機応変に使い分けてみてね。

SWOT分析は、自社のブランド力や品質などの内部環境と競合他社や市場トレンドなどの外部環境をプラス面・マイナス面に分類する手法よ。

その通りよ。内部環境の強みであるStrength、弱みを指すWeakness、外部環境のメリットを指すOpportunity、弱みを指すThreatから来ているわ。OpportunityとThreatにあたる外部環境に関しては、PEST分析から得られる結果と組み合わせて分析することも有効よ。

3C分析は、事業の方向性を考える際に活用する手法よ。市場・顧客のCustomer、競合のCompetitor、自社のCompanyを分析対象として、マーケティング戦略の根幹をなす周辺環境を分析するの。

「市場・顧客」をマクロ的に分析するときにはPEST分析を用いることが多いわ。どちらも覚えておいて損はないはずよ。

5フォース分析は、競合各社や業界の環境を正しく把握し、ミクロ的な外部環境を分析するためのフレームワークよ。新規参入者、既存企業、サプライヤーの交渉力、買い手の交渉力、代替品という５つの競争要因が分析対象ね。

自社を取り巻く脅威や業界の収益構造を理解し、自社の優位性を見出したいときに有効な手法よ。

4P分析はProduct(製品・サービス)、Price(価格)、Place(販売場所・提供方法)、Promotion(販促活動)を軸にしたフレームワークね。

4P分析は自社の製品・サービスを提供するための最適なスタイルを見出すための手法よ。どのようなサービスを、どれくらいの価格で、どのような場所や方法で、どのようなプロモーションで販売すればいいのか総合的に考えるための基盤を提供してくれるわ。

最後にPEST分析についてまとめておくわ。

PEST分析についての理解が深まったかしら？

頑張って！　わからないことがあったら何でも聞いてね！